1961.2.15(水) 結晶作用?
経済が終わって帰りに駅に行く途中、矢内原口の方から来た MK さんと出合った。 今日はまた・・・・今日の MK さんは・・、今日の MK さんは・・と何度も言うようだが、実際、MKさんと言う人は、いつ見ても少しずつ違って見えるのだから仕方が無い。 しかも、その度に何かそれまで気が付かなかった美しさを感じるのだ。 MKさんが、それだけ向上したのだろうか、それとも僕が、それだけ成長したのだろうか。 いずれにせよ今日の MK さんは素晴らしかった。 実に堂々として、辺りを払っていた。 全くあの聡明そうな深みのある風貌には、今更のように圧倒され引け目を感じた。
(注1: 経済というのは期末試験科目のこと)
(注2: このブログは、もともと60年代に駒場生活を送った一東大生の日記を、同世代への挽歌として書き残そうと言う動機で始めたものである。 飽く迄も、ノスタルジーの対象は、同世代であって、特定の個人ではない。 しかし、当時の日記の記述が特定の個人・・それも女性に傾くのは仕方が無い。
このあと、1961年度の新入生が入学してくると、駒場は一気に華やかさを増し、まさに漱石の三四郎の舞台と化す。 その頃から私の MK さんへの関心も薄れ気味になるが、今はまだ彼女以外の女性は目に入らないかの如くであった。 "スタンダールの恋愛論" で言う "結晶作用" が強く働いていたのだろう。 )
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