1960.6.15(水) 樺美智子の死・・・1つの時代の終わり
何ということだ。 遂に死者を出してしまった。 個々の警官の行き過ぎは勿論責められねばならない。 しかし、一切の責任は、全学連中執の近視眼的、且つ軽薄なる指導(或いは煽動)に有ったと言って良いであろう。
岸内閣のやり方には確かに承服し難いものが無いではない。 しかし、政府の方針を全面的に否定し、すべて陰謀であり、国を売るものであり、民衆を虐げブルジョワジーに奉仕するものであるかのごとく誹謗する彼らに対して、政府が断固たる態度を以って臨み、一切の妥協を容認しようとしないのは、一面無理からぬことであろう。 要するに、政府自らも言っているように話し合っても無駄だからである。 とにかくえらい騒ぎになった。・・・・・・・・・
直接、その行動をとったのは勿論一部の無思慮な人たちであろう。 しかし、問題をこうした拙い局面に持っていってしまった政府にも究極の責任は負わされねばならないであろう。
(注: 今から読むと随分ミーハー的な青臭い解釈をしていたものだと思う。 ソ連を中心とする国際共産主義勢力の革命工作にナイーブな青年達が乗せられていただけのことだったのに・・・それにしても全学連中執の連中は本気で革命が可能だと考えていたのだろうか。 そうだとすれば、彼らの方がよっぽどナイーブだったと言うしかない。 そもそも食うに困らぬ国で革命が成功した例しが無いではないか。 金持ち喧嘩せず というのは人類社会共通の真理である。)
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