1960.6.2(木) ストレイシープ
昼休み、何となく気が滅入って仕方がなく、第一本館の廊下をぶらぶら歩いていたら、東側の入り口の所で外から入ってきた MK さん達に会った。(OH さんも一緒だった。) 入学式の時も MK さんの変わりように驚いたものだが今日はそれ以上に驚かされた。一瞬、別人かと思ったほどだった。あの頃に比べると見違えるほど、明るく生気に満ち、むしろ華やかな感じさえおぼえさせる。本当に楽しそうだ・・・。
(注: 漱石の三四郎には程遠いが、当時の私には身につまされる日々だった。 予備校時代の MK 嬢は、華やかというより、物静かでむしろ内省的な印象だったが、入学後の彼女は行き会うたびに華やかさを増し、益々手の届かない遠い存在になっていくような気がしてならなかった。 おそらく半分は事実だったろうが残りの半分は田舎者の引け目が助長していたのだろう。 次の年にどっと入学してきた煌びやかな美女達・・・三四郎に出てくる美禰子のような・・・とは次元の異なる華やかさだった。)
ラベル: 1960.6.2(木)ストレイシープ
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