1961.5.15(月) 旧ソ連宣伝映画への尊大な批判
先月25日と丁度同じように矢内原門を入った所で、MK さんの後姿が見えた。 殊更後を追うのもどうかと思い図書館脇を曲がっていく後姿を見送って、北寮の方へ行ってみることにした。 丁度、朝食を摂ってなかったので売店を覗いたら、まだ開いていないので寮食で済ませた。(35円也)
(注: 時にはこうして MK さんのことを頭から振り払って学業に専念したこともあるらしい? 丁度とは、丁度売店の前だったと言うこと。 これが駒場寮生以外、つまり通学生の日常の行動パターンだったかどうかは知らない。)
四時限の仏語はサボって "戦艦ポチョムキン" を見た。 至極感動的な場面が展開された(訳なのだろう)が、あの位のことはいままでに世界中で無数に繰り返されたことであり、あの程度の行為、あるいは思想感情を至純至高のものと讃えているようでは、世界平和(これも問題の多い言葉だが)などは到底達成されはしない。
(注: 駒場で自治会の連中か何かがオルグのために上映した旧ソ連映画に対する感想である。 ブログの見出しには "尊大な" と書いたが、それはそれとして、今でも当時の日記に書いた批判を撤回するつもりはない。)
帰りは堀籠と一緒になったが、ズボンを注文するのを思い出して、渋谷からまた引き返した。 結局、二千六百五十円也で一着頼んだが、旨く出来ればよいが。
(注: 堀籠とは、後に最高裁判事になった堀籠幸雄のことである。 まさかこんなに偉くなるとは夢にも想像しなかった。 彼は、あの頃からその位の志を抱いていたのだろうか。 法学に関心がなかった私が何も知らなかっただけのことで、当時の東大文一にはその位の可能性がごろごろしていたに違いない。 嘗ての帝大法学部の七光りと言うべきか! 東電やみずほのトップが無責任だと批判されるのも無理はない。 ズボンを注文しに戻ったところは駒場にあった生協の売店である。)
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