2012年2月13日月曜日

1961.12.5(火) 超然としていた心算だが・・・

昼休みが終わりに近づいた12時20分頃、900番の前から正面玄関のほうへ回りかけ、ふと向うの芝生を見ると全くぎくりとするような光景が目に入った。 ・・・・・
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それは、どう見ても一組の恋人同士としか思えなかった。 その瞬間、僕は感じた。 彼女にとって僕などは何の意味も持たぬ無数の青年達の一人でしかないと言うことを、また彼らにとって僕は全く無用であるばかりか、むしろ邪魔者であり、決して彼らの前に姿を現して欲しくない存在だということを。 全てはもう終わりである。・・・・・実に泣きたいような気持ちだった。

Jetzt habe ich es zum ersten Male erkannt, dass ich auch von der Eifersucht nicht frei bin!

(注: いささかオーバーな表現で、いかにも自分が悲恋の主人公であるかのごとく、言葉に酔っている嫌いがあるが、一瞬そんな気持ちに落ち込んだことは確かだ。
それがどんな光景だったかと言えば、芝生にあをむけになって日向ぼっこをしている彼の顔を、横に座った彼女が親しそうに覗き込んで話しかけていたというだけのことに過ぎない。 此処で言う彼女が誰なのかは、あえて言わないことにする。 第一彼らの氏名を知っていたわけでもない。
いずれにしても、50年前の駒場で、このような光景を目にすることは、まず有り得なかったということだ。 日頃、超然派をきどっていた私の正体はこんなものだった。)

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