2010年1月31日日曜日

1960.1.11~2.16 予備校のマドンナ

(注: 受験日が刻々と迫る日々、日記帳には毎日のように同じ予備校に通う女生徒の名が登場する。原文をそっくり書くのは流石に気恥ずかしいので適当に抜書きすると・・・・・)


1月11日(月)
NEさんはBクラスで一緒、NMさんはAクラス、MKさんは勿論Aクラスだろうが今日は姿を見掛けなかったのではっきりしない・・・


1月13日(水)
MKさんは11日は終業と同時に帰ってしまったらしい・・・
NMさんは今日はばかにさわやかなかんじだった・・・


1月21日(木)
今日は一度もMKさんの姿を見なかった・・・

1月24日(日)
Woe worth the day!
(注: 何があったのか未だに思い出せない)

2月1日(月)
何と言う僥倖、同じ車両に乗り合わせようとは・・・
古語に言う恥ずかしき人とは全くあのひとのことだ。

?月?日
ミレドソー ミレドソー ドミレソ ドレミドー
(注: ある日の夕方、上井草のグラウンドの土手で空を眺めていたら鐘の音が聞こえてきた。
夕空に流れる調べは感動的だった・・空に吸われしはたちの心・・。
それがウェストミンスターチャイムのメロディだと知ったのは何年も後のことだった)

2月7日(日)
上井草のグラウンド近くを歩いていたら前掛けをして犬を連れた女の子に会った。
12~3歳くらいだったろうか。
2度と会うことはあるまい。他所ながら幸せを祈ろう。
(注: その時は意識していて居なかったが、高校時代の英語の授業に出てきて、印象に残っていた William Wordsworth の詩 "We Are Seven" の little Maid を思い出させるような女の子だった。)

2月11日(木)
今日のMKさんは驚くほど毅然として見えた。だが一寸顔色が冴えず痛々しいような感じを受けた。
・・・あれだけ激しい勉強をしているのだから無理からぬことだが・・・

2月16日(火)
今日こそはと思ってゆっくり歩いたがやはり少し早すぎたようだ。どうも女の人の足に合わせるのは難しい。ホームの東の端で今か今かと待っているうちに電車が入って来たので思わず嘆息しつつ・・・・・

ラベル:

2010年1月9日土曜日

1960.1.8(金) 入試要綱入手

朝から、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、文字通り東奔西走して、漸く、東大、慶大、早大の願書および入試要綱を入手す。健康診断は高校で纏めて実施してくれるそうだ。入試間近、とにかくしっかりやろう。

ラベル:

2010年1月3日日曜日

1960.1.3(日) 初詣。成田山新勝寺。

起床9時、さんざん寝過ごす。
雑煮のご馳走、いつもながら各家各様の作り方に驚く。
美味なれど胃に凭れる。
食後、叔父さんの所へ年始に行く。
成田詣でに誘われ同行。
電車混雑。疲労。されど楽し。
神前(?)に合掌(瞑目せず瞠目)。
祈りに曰く、心清らかに勉学に専念させ給え。
叔父宅帰着、6時半。夕食の馳走を受く。
下宿着、9時半。

ラベル:

2010年1月2日土曜日

1960.1.2(土) 新しい下宿先

午前中に支度を済ませて歯の治療を受く。
(注: 我が家は祖父の代から歯科の開業医)
食事代わりの汁粉を食べ、離れにて家族談笑。
3時半好物の中華そばをとり、4時のバスで上京。
(注: 桐生始発八重洲口終点の急行バス¥280円也)
下宿着7時半。
火を貰い、茶の接待を受く。
階下(した)の娘さんはなかなか感じよき人なり。
良き下宿人になりたし。


西荻時代の散歩コース(善福寺池~東京女子大~立教女学院)

(注: 前年の秋まで同じ西荻窪の田村実さん宅に下宿していたが、一家が久我山に転居することになり、懇意にしていた近くの井上喜一郎さん宅を紹介された次第。

因みに田村婦人の弟さんは第一次南極観測隊で宗谷の航海長の任にあり、連日新聞に大きく掲載され家中大騒ぎだった。また井上婦人は娘時代に桐生の名家、書上家の女中だったことがあり、関口歯科医院に通ったことがあると言う。これも奇縁というかびっくりするような話だった。

それだけではない。私の中学時代の同級生(金子安江さん・・実家は書上家に近い横山町にあった)が早稲田の文学部で親友となった鴨下女史と3人で駄弁っていたとき、彼女と井上さんの次女・・・たしか道子さんと言ったと思う・・が中学・高校時代に親しくしていた同級生だったことが判明した。という訳で西荻は私にとって特別の意味を持つ土地になった。)

追記): 道子さんではなく明子さんだったことに今日(2012.2.7)、 "1961.11.11(水) 西荻の繋ぐ縁" を書いていて初めて気が付いた。 謹んで訂正させていただきます。

ラベル:

2010年1月1日金曜日

1960.1.1(金) 2浪受験生の決意

(注: 以下 『50年前の今日の日記帳』 より)

遂に20歳の正月を迎えた。
今日かぎり他人に依存する生活が公然と認められる時代は去った。
徒食は決して許されないのだ。
決意を新たにして奮闘し見事所期の目的を達成しよう。

・・・願わくは過ぎし昔に見し夢の時ぞ今こそ然らむことを・・・

ラベル: