2010年2月27日土曜日

1960.2.27(土) 早大政治経済学部入試前日

早大に着いたのが12時ごろ。小雨の中をそれでもかなり大勢の受験生が下検分に来ていた。
明日は10時に開始とのこと。3校全部合格するつもりでしっかりやろう。
社会さえうまくいけば絶対合格できると言う自信があるのだが。
とにかく運を天に任せる外はない。

(注1: 慶大でもそうだが、なぜ 『社会 などというつまらない科目』 をそんなに重視するのか全く理解できなかった。なにせ、当時の私にとって学問と言えば 『理論物理学』 しか頭に浮かばなかったのだから。『社会=世の中=常識』 は、家で覚えるものでわざわざ大学で教わるものではない、と・・・。
それが何故、東大文一を受けたかと言えば、立場上、東大を受けざるを得ない羽目に陥ったことと、にも拘らず数学の才能に自信が無かったからに過ぎない。思えば無駄な人生を過ごしてしまったなぁ・・・)

(注2: このあと帰りのバスの中で、まさかと思うような “事件” を経験することになるのだが、小説家でもない自分としては敢えて割愛する。何が起こったかは読者の想像に任せたい。一つ言えることはそれが当時における早稲田(奔放)と慶応(尊大)や東大(優越感)の違いだと思ったことだ。いずれも自尊心の形を変えた表れ方に過ぎなかったのだろう。とにかく今から50年も前のことである。)

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2010年2月26日金曜日

1960.2.26(金) 本日、慶大経済学部を受験

朝6時頃、眼が覚めた。気分は悪くなかったが腹の具合が一寸気になった。
早々に朝食をすませ、激励されて家を出た。日吉着八時頃。とにかく受験生が多いのに驚いた。
一時間目、社会はやはり苦手。世界史の第一問でまごついてしまい、かーっとなってもう少しで投げてしまうところだったが、その後は大体順調にいったと思う。

果たして結果如何。いささか不安である。
(注: いささかどころか大いに不安だった。)

隣の席の女の子が一寸NMさんに似ていて感じが良かった。健闘を祈る。
(注: 若気の至り! なにが“健闘を祈る”だ。真面目にやれ!)

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2010年2月25日木曜日

1960.2.25(木) 慶大経済学部入試前日

明日は、愈々慶大の一次試験。
是が非でも合格して見せる。

(注: 当時は気楽に受けたつもりだったが、この記述を見ていると悲壮感がただよってくる。)

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1960.2.24(水) 遅刻恐怖症

腕時計 三分四十五秒進み

(注: 慶大の入試を明後日に控え、何かうっかりしていないか気が気でない。何度時計の進み具合を確かめたことか! )

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2010年2月23日火曜日

1960.2.23(火) 黄金の60年代?

美智子妃ご分娩。親王誕生。
昭和三十五年二月二十三日
黄金の1960年の幕は切って落とされた。

(注: 何をもって『黄金の』と言ったのか思い出せない。たぶん、東大合格の縁起を担いだのだろう。)

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2010年2月20日土曜日

1960.2.20(土) 自己逃避と自己嫌悪

・・・日本史は休憩時間にやってしまうつもりで持って行くのだが、MKさんを探し求めることに心を奪われて勉強する気にならない。・・・現在なすべきことをなさずして一体何の恋や愛があろうか。いい加減で覚悟を新たにして地に足のついた生活をしないと、それこそとんでもない事になってしまう・・・

(注: 2浪受験生のラストチャンスを前にしてなおも自己逃避と自己嫌悪を繰り返すさまは我ながら情けないと言うか恥ずかしい限り。楽々と東大に入って行く今どきの女子学生たちの心境はおよそ見当がつかない。こんな精神状態は自分だけだったかも知れないが、ここ一番というときにプレッシャーで潰れるオリンピック選手たちを見ると、程度の差はあれ、今もなお同じような悩みと闘っている青年たちが少なくないのでは・・・。)

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2010年2月19日金曜日

1960.2.19(金) 弱気の虫

全く最悪の日であった。朝から心身ともに不快な状態に陥ってしまった上、早稲田では科目変更不可と宣告され、ほてる顔を隠すようにして逃げ帰ってきた。もう早稲田には行きたくない。準備もしていない科目で受験しなければならないかと思うと空恐ろしい。

一体どうして僕のやることは全てこう旨くいかないのだろう。小さい時からいつもこうして自信を失いつづけ、そのためにこんな引っ込み思案の寂しい人間になってしまった。
物陰からそっと外部の眩然たる世界を覗き見、人の邪魔にならぬようにと気をつけながら、周囲のほんの数人の人達が時折差し入れてくれる愛情の一切れ二切れを大切に噛み締め、その好意に報い得ない我が身の不甲斐なさを嘆く、それがこの自分なのだ。

(注: 例によって弱気の虫が動き出し、自己憐憫の世界に逃げ込むと言う悪循環に巻き込まれそうになった。)

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2010年2月17日水曜日

1960.2.17(水) 願書提出のドタバタ

慶大、早大の入試願書を提出して来たのはよいが、慶応では帰りに道に迷って足を棒にした上、早稲田では世界史はだめと言われ、数学か社会かと言うところでどう勘違いしたか社会などと言ってしまい、お蔭で金曜日にでももう一度行って変更して貰わなければならない事になった。
もし変更不可という事にでもなったら良い面の皮だ。
(注: 過去2回の入試は東大しか眼中に無かったので、早慶のキャンパスに足を運んだことが無く道不案内だったため、こんな体たらくになった。)

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